ご挨拶2005年08月11日 13時25分32秒

はじめまして、このブログを管理する「鍼灸あましのたまご」と申します。 都内某所の専門学校にて鍼師、灸師、あんま・マッサージ・指圧師となるために勉強中の30代半ば♂です。

前職は健康食品製造会社の開発営業職。 この関係から鍼灸というような東洋医学関連に対する興味をもちはじめました。 離職後、約1年間中東から西アジアを旅したのちに帰国。 現在は専門学校の2年生です。

居酒屋 創業100年!!2005年08月11日 23時19分06秒



学生である自分はすでに夏休みも半ば。会社勤めをしている人もそろそろ夏休みですね。
今日は夕方から会社員時代の後輩と飲みに行ってまいりました。

中にはタイトルですでにお店の名前が浮かんでいる方もいるのでしょうか? そうです、今日飲みにいった店は神田「みますや」です。
どこぞやの紹介ホームページによると今年の5月で創業100年とのこと。

もう紹介するまでもない有名店でありますが本当にいい店です。 たくさんの種類の日本酒がありますが、ここにくると決まって「白鷹」です。 これも説明するまでもない灘の銘酒ですが冬は燗、夏は冷(常温)でいただきます。
もともと生酛(きもと)造りを得意とする酒蔵だけにどんな飲み方をしてもおいしく飲める懐の広い酒です。
これが1合400円で提供されているのですからうれしい限りです。

おつまみも基本的に安いものばかりです。
今日は定番の切干大根、ぜんまい、揚げ出し豆腐、肉豆腐、季節のぬたなどに夏ですから柳川や揚げナスで楽しんできました。
つまみは全般的にすこし濃い目の味付け。
これがお酒に本当に合うんです。
食べた瞬間に「ウマッ!!」と感動するようなすごい料理ではないのですが、お酒と一緒にいただくと本当にしみじみ「ああっ、うまい」と感じる料理です。
主役はお酒、料理はその引き立て役、やっぱりこういうところが居酒屋なんだろうなとおもいます。

白鷹のおもいで2005年08月12日 00時08分40秒



写真は食べかけですがみますやの柳川
夏だなと感じる一品です。
このときの泥鰌に子を持っているのがあってすこし徳をした気分になりました。
特に子がうまいとおもうわけではないのですが・・・


みますやで飲んだ白鷹から思い出した大学時代の話をすこし。

大学時代、私は醸造関連の学科に在学していました。
そのため日々積極的にいろんなお酒について勉強と称して買い込んでは飲んだくれていました。
そのころから白鷹=生酛として非常に有名だったのですが当時は入手が非常に困難でした。
今のようなネット環境にはなく、通販も盛んではありません。
東京の居酒屋や料亭で扱っている店は多少ありましたが、田舎にいる貧乏な学生には飲みに行く機会はありませんでした。
そんなときに聞いたのが伊勢に行くと白鷹が買えるらしいとの情報。
何でも伊勢神宮のお神酒として使われているため伊勢でなら扱っている酒屋さんが多いというのです。
もちろん伊勢に行きました。
まあこれは白鷹のためというよりも三重に住む同級生の実家に大学時代のなかまと遊びに行ったというのが正しいのですが・・・

伊勢神宮の参道にある酒屋さんには、情報どおりたくさんの白鷹が売られており無事購入をすることができました。
みますやで飲む白鷹はこんな大学時代のおもいでも呼び覚ましてくれます。

トルコの旅1 始まらない旅2005年08月12日 01時25分48秒



写真はイスタンブールの街角のパン屋さん。
このパン(トルコ語でエクメク)はフランスパンに似てますが、中がとってもやわらかくおいしいです。


さて出発したのはもう3年前ですがイスラムの国々を旅した思い出を少しずつ。 2002年7月末に日本をたってはじめに旅したのがトルコです。 バックパッカーつまりは貧乏旅行でしたから泊まった宿は一部屋にベッドがならぶドミトリー方式でトイレもシャワーも共用のところ。

ツリーオブライフ というこの小さな日本人宿、なんとも快適で観光もろくにせずに本や漫画を読んだり、街を散歩して買ってきた食材で日本食風の飯を作って宿泊仲間で食べたり(通称 シェア飯)していました。

もともと会社を辞めたころに体を壊していたことや、プライベートでははじめての海外旅行ということもありゆっくりと旅のリズムを作って行こうとしていました。
結局、2ヶ月半ほど宿を拠点にイスタンブールのあちこちを見て回りました。但しいわゆる観光地にはあまり行かずどちらかというと市場や町並みなどを見たり、小さなモスクを見たりしていました。

この後、約一年の旅に共通する「観光地よりも、現地の人々の生活の場を見る」というスタンスが確立されたのもこの滞在のおかげでしょう。
ちなみにこのように一箇所に居続ける旅行者のスタイルを沈没(ちんぼつ)などといいます。
そう、私のたびのスタイルは沈没。
各地で沈没を繰り返しながら旅はゆっくりと進んで行きます。

夏休みのこと12005年08月12日 17時32分14秒



写真は経絡治療学会 夏期大学のテキスト

われわれ学生はすでに7月末には夏休みに突入しています。
学生の夏休みというと「遊び呆ける」というイメージを持たれるかもしれませんがそうも行かないのが実情です。
なんせうちの学校では9月に学校が始まったその日から素敵なテスト月間に入るのです。 あまり遊んでもいられません。
このため夏休みといっても学校が開いている間は学校に行って自習等をしています。 さすがにお盆のころには学校そのものが閉まってしまうので、学校には行けませんが今度は別の講習会です。

8月8~10日まで3日間 「経絡治療学会 夏期大学」に参加してきました。

経絡治療についてはまた後日説明をさせていただきますが・・・

夏期大学は今年で47回を向かえ、600人もの受講生と60人近い講師やスタッフが集まって鍼の勉強をする場です。
臨床暦数十年の先生方が教えてくれる講義もすごいのですが、最終日に全科共通で行われる実技実習が良かったです。
この実技は全講師陣が一人一つずつのベッドを使い実際に治療を行う様子を間近で見学をするというものです。
このときに運がよければ自分で鍼を受けることができるというのも非常に良い点です。
で、私も実際に受けてみました。
3日間のハードスケジュールと常時立って実技を行った関係でかなり腰が痛かったのですがわずか20分の治療で本当に腰が軽くなりました。



まあ鍼の学生でも「古典的な鍼治療なんて効かない」などという方がいることがあります。
ベッドサイドで見学させていただいているときにある先生がいい言葉をおっしゃってました。
「鍼が効かないなんて言うもんじゃねえ、効かせる腕がねえだけなんだから」

ちょっと自分でやってみてできないから効かないという表現で逃げたくないので、少なくとも10年は経絡治療を少しずつ勉強したいと考えています。
精進、精進

2002年トルコの旅?シェア飯編2005年08月13日 16時04分59秒

先日シェア飯についてお話をしましたが、メモを見てみると本当にさまざまな料理を作ってました。
記憶に残っているだけで、
カレー・ビーフシチュー・グラタン・ホワイトシチュー・ロールキャベツ・ムール貝の炊き込みご飯・いわしつみれ鍋・ゴ汁・スパゲッティ・チキンのトマト煮・・・・・
ああっ、写真とっときゃ良かった  orz

2ヶ月以上の滞在でしたからいろんなものを作ってました、ただ宿泊者全員分はとても作れなかったので食べそびれた人もいました スンマセン。
シェア飯で非常に大事なのはルール。もともと一人一人が料理をしたら時間効率が悪いからシェア飯をはじめた経緯もあるのです。なんせシェア飯を始める前には4~5組の自炊組みがいて最後の人は10時過ぎから調理するようなこともありましたから。
また、基本的にお手伝いをしない人は参加いただかないようにしていました。 買出しに参加をする、または調理のお手伝い、どちらもしなかったら後片付けをする。そんなルールを作っていました。



これはシェア飯の中で数少ない写真を残したメニューです。アジの南蛮漬けと羊飼いのサラダ(チョバンサラタスなんてトルコでは言うようです)
魚市場まで行って活けのアジを2キロ仕込んで作りました。一番手間がかかったシェア飯ですね。

費用の清算はすこし工夫しました。これはエジプトカイロの宿サファリの「生活向上委員会」を参考にさせていただきました。現在はサファリホテルに生活向上委員会はありませんが、BackPacker's Ghetto
にて生活向上委員会の主催をされていた塾長の現在のエジプトでの生活を拝見できます。

食材にかかった費用にすこし上乗せさせていただいて、浮いた費用で塩や油などの調味料や調理器具をそろえました。
これらの共用物はシェア飯に参加しない人にも使っていただけるようにしました。但し、使ったら宿退去時に小額のバクシーシ(喜捨)を専用ペットボトルにしてもらっていました。



写真はこの手のかかったアジにありつけた方々
まあこの宿でのシェア飯を続けられたのは写真の後ろで飯にパクつくひげ面の管理人「エルヴィス」が頑張ってくれたからですが。
めんどくさいことを一緒にやってくれる仲間がいるからシェア飯も成功するのです。

東洋医学の治療法 鍼の話12005年08月14日 16時33分11秒

鍼というとどのようなイメージをお持ちになるのでしょう?

「痛いもの!」

鍼治療を受けた経験はなくてもそういうイメージをお持ちの方は多いかとおもいます。その理由として注射が痛いというイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。

鍼灸用の鍼について痛みの観点からお話します。

鍼のサイズ、種類の記載には独特の単位を使います。
例)寸6・3番・銀鍼   これは長さ一寸六部(約50mm)、太さ3番(0.2mm)の銀でできた鍼ということです。
番:0.16mmを1番以降0.02mm太くなるごとに番手をひとつあげる(1番より細いものはメーカによって少し表記が異なることがあります 例0.14mmの鍼を0番と表記したり01番と表記したり)

それこそ太いものには1mmぐらいはあるような鍼もあるのですが、実際の治療においては 01番(0.14mm)~5番(0.24mm)までの物が多く用いられます。
このように記載してもあまりイメージがわきませんよね?
そこで注射針との比較
健康な方でも経験することが多い注射針を2つ。ひとつは健康診断等で用いられる針です、これは外径が0.8mmのものが多いようです。
もうひとつの注射針として献血用のものが1.3mm程度とのことです。
鍼灸用の鍼が細いことはわかっていただけるのではないでしょうか?

この鍼の太さが実は「刺したときの痛み」に大きく影響しているとのことです。実際、注射針の世界でも小児向けのものは細いのが一般的ですし、毎日注射が必要となる糖尿病患者さんのインシュリン注射用の鍼は0.25mmととても細いです。

なんとなく鍼灸の鍼がそんなに痛くはなさそうだな。と思っていただければよいのですが・・・・


ただね、腕も問題なんですよ。腕が悪きゃ細い鍼でも痛くなることがあるんです。

先日参加させていただいた夏期大学の講師の鍼灸師の先生方の鍼は本当に痛くなかったです。
だからこそ、いつ打っても痛くない鍼を目指して、たまごは毎日毎日自分の足に鍼をするんです。

東洋医学の治療法 鍼の話22005年08月15日 09時04分29秒

鍼は何に向かって刺すのでしょう?

このように書くとなんかとんでもなく頭が悪そうに見えますね。
ここで言いたいのは、鍼を用いた治療法にも様々なものがあるということということです。
要はどこに対してのアプローチなのかということです。

アプローチ
①: 穴に対するもの       要は穴に鍼を打つということです
②: 筋肉に対するアプローチ  筋肉に刺すということですね
③: 神経に対するアプローチ  神経の傍に鍼を打ちます
④: 痛みに対して打つ      圧痛点(押して痛いところ)に刺します

単純にどこに向かって刺すのかだけでも結構な種類があります。

さらに今度は刺して何をするのかを考えると

①に鍼をすることとは、経脈の流れを調整し疾病の元となる経脈の乱れを直すことや、内臓体性反射を用いて病を治すなどが考えられます。(内臓体性反射についてはまた別の機会に詳しくお話します)
②に鍼をすることで過緊張を起こした筋肉を緩めたり、萎縮等を起こしている筋肉に刺激を与え萎縮の予防などが考えられます。(電気パルスと組み合わせることもあります)
③に対して鍼をすることによって神経痛や痺れ感の軽減や神経の緊張による症状を取ることが考えられます。
④に対する鍼ではもっとも期待できるのが患者が訴える痛みの軽減でしょう。

このような鍼の使用場所、使用目的等の概略を知っていただいた上で、次回は鍼について3つの大きなくくりでお話したいと考えています。

東洋医学の治療法 鍼の話32005年08月16日 11時08分10秒

現在皆さんが行く治療院には3種の鍼治療があるのをご存知ですか?

現代鍼、中医鍼、和鍼などと呼ばれるものです。
厳密には上記以外の治療法を掲げる先生も多いのですが、簡単に説明する便宜上この3つのくくりで話を進めさせていただきます。
またこれらの治療法を組み合わせて治療を行っているケースも多いことをあらかじめご了承の上、たまごなりのこれらの鍼についてのお話をお聞きください。

たまごなりのこれら三つの鍼治療に対する解釈

1:現代鍼
西洋医学的な見地から筋肉、関節、神経等にアプローチする手法です。代表的な鍼の技法としては、交叉刺、傍神経刺、筋パルス、神経パルスなどがあります。
ステンレスの鍼を使用することが多く、筋や神経へのアプローチのため、比較的き刺入する深さが深いのが特徴です。
例として交叉刺をあげると、過緊張を起こした筋に対して斜めに刺入することで、筋肉を幅広く捕らえ鍼の刺激で緊張を和らげます。
西洋医学的な筋肉や関節に対するテスト法で損傷部位の確認等を行います。

2:中医鍼
第二次大戦後、中国において古典的な鍼と西洋医学の考えを合わせた形で新しく作り出された鍼と私は考えています。 やや太目のステンレス鍼を用いることが多く、穴(つぼ)に対して比較的深く刺入し、様々な手技を加えることで響きと呼ばれる刺激を患者に与えるのが特徴です。
また、耳鍼や眼鍼など各臓器の状態が局所に反映されると考えて治療する治療法も行われます。
足ツボなどもこの中医学の考え方に基づいているとおもわれます。
四診と呼ばれる診察法を用いるのが特徴です。脈診とともに舌診、腹診、眼診、耳診などを用いて診断します。

3:和鍼
和鍼は古来中国から伝わったものですが、日本で独特の進化を遂げてきた鍼ともいえます。このため様々な流派がありひとくくりにすることが難しいのですが代表して経絡治療についてお話します。
経絡治療は日本の古典的な治療をもとに統一的な治療を行う指標としてまとめなおしたものと考えることができます。
その概念は病の原因を経絡を流れる気の異常と考え、穴(ツボ)を介して経絡をめぐる気を調整することで治療を行うものと考えることができます。
金鍼、銀鍼、ステンレス鍼が用いられ他の鍼治療法より細い鍼を用いることが多いです。また、刺入する深さも浅く多くの場合では6mm以内、中にはほとんど刺入しない場合もあります。
鍼の刺入には管鍼法と呼ばれる筒を用いた方法をとることが多いです 。(これは現代鍼でも用いられます)
和鍼も四診を用いるのが特徴です。但し眼診や耳診はあまり用いられないようです。

このようにまとめてみると実際に自分が受けた鍼がどのような鍼だったのかわかりませんか? 簡略にまとめたものなので厳密さにはかけますがなんとなくわかっていただけたら幸いです。

あなたにあった鍼治療を探す手助けになればいいのですが。

東洋医学の治療法 現代鍼を受けた感想12005年08月17日 19時48分41秒

昨日お話した3種類の鍼(現代鍼・中医鍼・和鍼)を自分自身で受けた感想を書き込みたいと思います。
一日ひとつずつを目安に書き込んでいきます。

今回の感想は診断から治療までの流れではなく、腰痛時に腰に鍼を打ってもらったときそのものの感想です
ただ、一回の腰痛で鍼を3種類打っていただいたのではありません。
なお腰痛の種類としては、自分自身の判断では筋腱膜性の腰痛か姿勢性腰痛かなと思っていました。
なお鍼を打っていただいたのは3つの刺鍼法とも臨床暦20年以上の鍼灸師の先生です。

1:現代鍼
現代鍼については2種類打っていただきました。ひとつは交叉刺、もうひとつは筋パルスです。

交叉刺:

刺入部位→脊柱起立筋あたり(ツボだと腎兪から大腸兪あたりでしょうか)
刺入時の痛み→少なめ
鍼を刺すときの痛みは最初に鍼が皮膚に入る時、ほんの少しちくっとする程度です。痛いという表現は不適切かもしれません。
鍼は使い捨てのステンレス鍼でオイル様の滑剤(シリコン)が塗られているため最初の刺入(切皮:せっぴといいます)の後はあまり入ってくる感じはしません。
但し、筋肉に達すると筋を貫くような感じを受けます。
私の感覚では「ああっ、きたきた、刺さってる、響いてる」ぐらいの感じで、痛みとは異なる鍼の感じがウワーと腰から広がる気がします。
響きの表現は難しいのですが、ズーンというような、重だるいような感じです。
交叉刺の場合腰に左右4本ずつ刺して10分ほど刺したまま安静にします。(置鍼)
すると次第に響きの感じがふわっと広がって行くようになり、抜鍼後腰が軽く感じます。

最初、この響きがなんとなく違和感があったのですが、何回か体験するうちに慣れてしまいました。
中にはこの響く感じが嫌いな方もいらっしゃるかもしれませんが・・・