東洋医学の治療法 鍼の話32005年08月16日 11時08分10秒

現在皆さんが行く治療院には3種の鍼治療があるのをご存知ですか?

現代鍼、中医鍼、和鍼などと呼ばれるものです。
厳密には上記以外の治療法を掲げる先生も多いのですが、簡単に説明する便宜上この3つのくくりで話を進めさせていただきます。
またこれらの治療法を組み合わせて治療を行っているケースも多いことをあらかじめご了承の上、たまごなりのこれらの鍼についてのお話をお聞きください。

たまごなりのこれら三つの鍼治療に対する解釈

1:現代鍼
西洋医学的な見地から筋肉、関節、神経等にアプローチする手法です。代表的な鍼の技法としては、交叉刺、傍神経刺、筋パルス、神経パルスなどがあります。
ステンレスの鍼を使用することが多く、筋や神経へのアプローチのため、比較的き刺入する深さが深いのが特徴です。
例として交叉刺をあげると、過緊張を起こした筋に対して斜めに刺入することで、筋肉を幅広く捕らえ鍼の刺激で緊張を和らげます。
西洋医学的な筋肉や関節に対するテスト法で損傷部位の確認等を行います。

2:中医鍼
第二次大戦後、中国において古典的な鍼と西洋医学の考えを合わせた形で新しく作り出された鍼と私は考えています。 やや太目のステンレス鍼を用いることが多く、穴(つぼ)に対して比較的深く刺入し、様々な手技を加えることで響きと呼ばれる刺激を患者に与えるのが特徴です。
また、耳鍼や眼鍼など各臓器の状態が局所に反映されると考えて治療する治療法も行われます。
足ツボなどもこの中医学の考え方に基づいているとおもわれます。
四診と呼ばれる診察法を用いるのが特徴です。脈診とともに舌診、腹診、眼診、耳診などを用いて診断します。

3:和鍼
和鍼は古来中国から伝わったものですが、日本で独特の進化を遂げてきた鍼ともいえます。このため様々な流派がありひとくくりにすることが難しいのですが代表して経絡治療についてお話します。
経絡治療は日本の古典的な治療をもとに統一的な治療を行う指標としてまとめなおしたものと考えることができます。
その概念は病の原因を経絡を流れる気の異常と考え、穴(ツボ)を介して経絡をめぐる気を調整することで治療を行うものと考えることができます。
金鍼、銀鍼、ステンレス鍼が用いられ他の鍼治療法より細い鍼を用いることが多いです。また、刺入する深さも浅く多くの場合では6mm以内、中にはほとんど刺入しない場合もあります。
鍼の刺入には管鍼法と呼ばれる筒を用いた方法をとることが多いです 。(これは現代鍼でも用いられます)
和鍼も四診を用いるのが特徴です。但し眼診や耳診はあまり用いられないようです。

このようにまとめてみると実際に自分が受けた鍼がどのような鍼だったのかわかりませんか? 簡略にまとめたものなので厳密さにはかけますがなんとなくわかっていただけたら幸いです。

あなたにあった鍼治療を探す手助けになればいいのですが。