10月20日 講義内容概要2005年10月20日 20時37分55秒

10月20日

二時間目  解剖学

視床下部→自律系、内分泌系の調整の中枢である

●甲状腺
 喉頭軟骨から気管上部にかけての前面から外側部、右葉左葉があり峡で連絡。(人により峡から錐体葉が上に走る)
特徴 濾胞を形成 
  コロイド状になってホルモンを貯留
  濾胞上皮は立方上皮で必要に応じホルモンを分泌

ホルモン:
サイロキシン(ヨードを含む)
  代謝機能の促進、脳機能の発育を促す
カルシトシン
  カルシウムの骨への定着を促進
  血中カルシウム濃度↓減少

上皮小体
 甲状腺裏側の上下左右に四つある米粒大
ホルモン:
パラサイロイドホルモン(パラソルモン)
  血中カルシウム量の増加に働く
  ・骨からのカルシウムの放出↑up
  ・腸からのカルシウムの吸収↑up
  ・腎臓からのカルシウムの排出↑up
 血中カルシウム量は筋の収縮運動に重要
 カルシトシン、パラソルモンが連携して一定に

●副腎 腎臓上部に有り、腎臓と共に脂肪皮膜に包まれる
○皮質 中胚葉性、三層に別れる 
→顆粒層の細胞=ミネラルコルチコイド
  電解質代謝特にk、Naに関わる
→束状層=糖質コルチコイド
  糖代謝、特に蛋白質の糖化
→網状層=性ホルモンの分泌(テストステロン)
  cf 女性では卵胞で酵素により女性ホルモンに変化
○髄質
→アドレナリン、ノルアドレナリンを分泌
  交感神経優位状態に(戦闘体制に)

●膵臓 (ランゲルハンス島=膵島、膵尾部にある)
二種の線細胞が糖代謝に関わるホルモンを分泌
α細胞 グルカゴンを分泌、肝臓に貯められているグリコーゲンを分解
β細胞 インスリンを分泌、血糖を肝臓でグリコーゲンに変換して貯蔵
(インスリンの最も重要な働きは、体細胞への血糖の吸収)


内臓系の復習&臨床 先生の問題
●口腔
 歯と骨のつながり方
 歯の種類
 口腔の区別、歯列で別れるのは
 硬口蓋を形成する骨
 軟口蓋を形成する筋
 扁桃の種類、と口腔の扁桃を総合した名称は
 舌乳頭の種類
 舌体と舌根を分けるのは
 味蕾が多い乳頭は 
 舌の筋(外、内)
 舌の筋の支配神経(運動、感覚)
 扁桃に多い細胞は
 扁桃の動脈は何の枝(上行口蓋動脈、上行咽頭動脈、舌動脈)
 舌盲孔の位置は
 舌粘膜の状態と疾患(乾燥、舌苔)
 舌下静脈の状態と血流
 歯の構造 
 ハッチンソンの歯
 虫歯

答えは明日




三時間目  臨床学  
肩関節周囲炎の続き
 
・圧痛点は疾患の鑑別にも用いられるが、同時に治療点でもある

治療で重要なのは治療効果を把握するための指標を持つこと
→経過観察の指標にも治療法の確認にも使える
 特に結髪障害は外転動作を含むため五十肩では陽性率が高い

●結髪障害  外転、内旋、屈曲動作
 患者の手掌を後頭部に接触するよう指示
+陽性:動かない、動作時の痛み
 できたら指標化 

●結滞障害  伸展、内旋、外転(結髪時に比べ角度は浅い)
 患者に両側の上肢を背部に回すように指示し、母指を脊柱に沿わせて挙上させる
(痛みが出る場合は痛みが出るまで)
+陽性:健側に比べ挙上できない
    挙上できるが痛む
 大椎母指間距離を測定(治療の指標)

●適用の判定
 適用の除外を考えるべき疾患が3つある

①腱板断裂
 腱板断裂の場合、部分断裂は鍼灸適応となる事がある
特徴(腱板断裂)
a 外転障害が痛みや脱力のために起こるが、他動的には正常域まで外転が可能
b 有痛弧徴候や落下テストが陽性で肩関節の運動時に軋轢音がある
c 発症後2、3週間で筋の萎縮が見られる

判定のパターン
・40才以下で腱晩断裂が疑われる症例のうち、外傷を契機として発症したもの
→精密検査(整形)を勧める
・40才以上の中高年者で腱板断裂が疑われる症例のうち、外傷性、非外傷性を問わず肩関節自動外転が60°以下のもので落下テストが陽性かつ発症2週間から3週間で筋萎縮の見られるもの
→精密検査を勧めるが、2週間程度の治療を試みて様子を見る
・中高年の腱板断裂が疑われるケースで60°以上の自動外転運動が可能で3週間以上の経過に関わらず筋の萎縮の見られない有痛弧徴候陽性の場合
→適応

この適応不適応の基準は出端先生の臨床での経験から出てきている。
自分が大事だなと思ったのは以下のとおり
○年齢は目安に過ぎず、大事なのは患者の活動性で判断すること
○実際に自分が開業鍼灸師だとしたら一つ目、二つ目は精密検査を勧める

年齢や生活によっては断裂でも整形で保存療法しか行わないケースもあるそうです。
このため二つ目の事例には鍼灸治療で経過を見るという選択になっているのだろうと先生も言ってますが・・・

②肩関節の炎症
a 炎症が急性で疼痛激烈
b 局所の発赤・腫脹・熱感
c 高度の関節運動障害
d 時に全身の発熱(化膿性関節炎でおきることが)
これらはすべて精密検査を勧める

③肩関節周囲の外傷
a 肩関節の疼痛と運動制限
b 關節の変形
c 三角筋の生理的膨隆の消失(骨頭の位置を健側と比較)
脱臼、骨折が疑われるため、精密検査を勧める

明日は実技

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