鍼灸あましの孵卵器

一時間目　　公衆衛生学
の予定でしたが、休講・・・・


二時間目　　臨床学
この授業は週に2回あるので結構きついです。

＜肩関節周囲炎の続き＞
ｃｆ回旋筋腱板（ローテーターカフ）について
　筋肉　棘上筋・棘下筋・小円筋肩甲下筋　で構成
　最も損傷を受けやすいのは棘上筋
　　理由は・・・きちんと考えてみよう

●石灰沈着性腱板炎
①概念　腱板内、特に棘上筋腱部に急速な石灰沈着を起こす
②症状　夜間に発症しやすく痛みが急速かつ激しい、自発痛あり
　　圧痛、発赤、熱感
（自発痛は鍼灸不適応となるケースが多いが肩関節周囲炎では適応となることも）
③好発　女性に多い、20～50代
④対応　腱の炎症

●腱板炎・腱板断裂（教本では分けてあるがあえてまとめて）
①概念　腱板が周辺組織に圧迫され、炎症や変性を起こす
　（周辺組織　上腕骨頭・肩峰・烏口上腕靱帯）
②症状
　上肢挙上困難と疼痛、圧痛は大結節に多い（完全断裂では挙上不能に）
　腱板炎・断裂の鑑別
　有痛弧徴候陽性（ペインフルアークサイン陽性）→腱板炎
　　上肢の外転時、60度から120度で痛みが出る
（上腕骨頭と肩峰間の距離が狭まるため、これ以上の角度では距離は変化しない？）
　落下徴候（ドロップアームサイン）
　　90度ぐらいの外転位で保持している検査者の手を放すと患者の手が落下
　ｃｆ五十肩と筋断裂の鑑別
　　五十肩は筋拘縮のため他動外転が不可能
　　断裂の場合、自動運動はできなくても他動運動は可能
③好発　40～50代
④部位　大結節付着部の1cmぐらい起始側
⑤対応　腱板の炎症または腱板の（微細）損傷

●肩甲下滑液包炎（肩甲下滑液包は人体最大の滑液包）
①概念　肩甲下滑液包に炎症が発生する
　（腱板の損傷に続いて起こることが多い）
②症状　大結節部圧痛・ペインフルアークサイン陽性
　→腱板炎の症状+自発痛・夜間痛+発赤・熱感
　ダウバーンサイン陽性（臨床学総論で行う）

★各疾患との鑑別のポイント（特に頚上肢痛）
①頚椎症性神経根症との鑑別
　肩関節周囲炎とかぶる点
　→40～50代に多い、肩から上肢の痛み　
　鑑別ポイント
　→頚椎の運動で愁訴の増悪
　→上肢の運動制限はない（痛みによる動作制限はある）
②胸郭出口症候群
　鑑別のポイント
　→10～30代が多い
　→上肢挙上により症状が増悪
　→上肢全体の鈍痛、冷感、蒼白
③肩関節痛（注射が原因となることが多い）
　→問診で注射の有無をチェック
　→急性に発赤･主徴･熱感･疼痛が著明にでる（48時間程度で）
④関節リウマチ
　→多発性関節炎
　→全身症状が出やすい（発熱・食欲不振・疲労感）
　→朝のこわばり
⑤肩手症候群（肩と手→手の症状）
　→肩関節、手指の関節に疼痛と筋拘縮
　→手の浮腫・筋萎縮・チアノーゼ
⑥上腕二頭筋腱断裂
　→上肢を頻回する肉体労働者に多い
　→結節間溝部に圧痛が出ることも
　→完全断裂で肘屈曲時に筋腹が肘側に移動

●問診
①現症状
　<症状部位>
　愁訴の種類→痛み・脱力感・重苦しい
　　　　　　　　→運動制限
　<自発痛>　肩関節周囲炎では軽度のものは出る可能性がある
　強い自発痛→化膿性炎・悪性腫瘍・石灰沈着性腱板炎
　軽度自発痛→肩関節周囲炎でも（鍼灸で改善が見込める→経過を見る指標）
　<夜間痛>　自発痛がある場合、夜間痛もあるケースが多い
　問診での注意点→夜間肩が冷えて痛みを訴える場合がある
　経過を見る指標



三時間目　　あん摩実技
　　一時間揉み