鍼灸の科学的効果 最新情報2005/102005年10月10日 10時09分14秒

本日付けの日経新聞に鍼灸の効果メカニズムに関する基礎研究の成果が発表されていました。

科学の発展が”東洋医学の神秘”に迫ってきています。
残念ながらニッケイネットには情報が載ってないので全文引用させていただきます。

”東京都老人総合研究所は、鍼灸(しんきゅう)治療で脳の血流が改善する仕組みを動物実験で解明した。
痛みや熱の刺激が神経を伝わり、脳の血流が増えた。
年をとるとともに脳の血流が弱まり、記憶力などが低下する症状について、鍼灸治療で改善する事例が報告されているが、科学的な仕組みは詳しくわからなかった。

同研究所の内田さえ主任研究員らは、ラットに鍼(はり)や灸を据え、脳の血流がどのように変化するか調べた。

ほおに一分間鍼を打ち続けたところ、脳の血流は一~二割増えた。
鍼を打つ部位を手足に変えてもほぼ同じ結果になった。
灸だと三十秒間で、脳の血流が藥一~二割改善した。

背髄(せきずい)につながる顔や手足の神経を途中で切断したラットで同じ実験をすると、血流の改善は見られなかった。
さらに、血流が増えたラットを調べたところ、血流を増やす働きがあり、大脳皮質から分泌される物質「アセチルコリン」が鍼や灸治療の刺激で約二倍に増えていた。内田主任研究員は「手足や顔への刺激によって汞粉が神経を伝わって脳内の別の神経に伝わり、アセチルコリンの分泌を促した」と話している。

鍼灸治療では、脳卒中に伴う言語障害の症状が改善する事例も報告されるなど、脳の血液の循環障害に効果があるといわれている。
<日経新聞2005年10月10日朝刊>



”鍼灸と脳血流の改善”は臨床の現場では当たり前に言われていたことですが、科学的に証明されるというのはいいことです。
鍼灸がオカルティックになるいちばんの原因は基礎研究の欠如にあります。
この点からもこのような研究には大きな意義があるんです。

個人的に面白いと感じた点
●巨刺・遠道刺の証明?
脳に近いほほへの刺鍼・施灸で改善されただけでなく、脳から遠い手足でも同様の効果が得られた点。
●単なる配穴治療ではだめそう?
施術部位の神経の切断によって効果が失われる。
●アセチルコリンで効果判定
脳内の情報伝達物質であるアセチルコリンで実験が行われており、単なる血流改善結果ではない。


日経新聞社様、
もし、引用に問題があれば削除します。
でもできたら掲載させておいてください。

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