10月4日 講義内容概要2005年10月04日 18時27分27秒

本日の講義内容

一時間目 臨床学総論 発疹から

●発疹 発疹は局所の疾患だけでなく全身性疾患の一部症状となることがある。
このため、発疹の性状、分布等を覚えることは疾患の鑑別にも重要である。

発疹は似たものとセットで覚えて行く
①紅斑、紫斑
 紅斑は限局性に発赤したもの(毛細血管の拡張)
  ガラス板等で押し付けると発赤は消失
 紫斑は組織内の出血(内出血)
②丘疹、結節  
 丘疹は皮膚から半球状、扁平に隆起したもので直径5mm以下
 結節は直径10mm以上の皮膚の隆起
③水疱、膿疱
 水疱は表皮内に空洞をj生じ、そこに漿液のたまったもの
 膿疱は膿がたまることで水疱が混濁したり黄色に見えるもの
④じんま疹
 真皮上層の浮腫により皮膚の隆起したもの
 境界が鮮明で、かゆみをともなう
 ストレス障害や温度差(寒冷じんま疹)などによると言われる
⑥びらん、潰瘍
 びらんは皮膚欠損のうち浅いもの(胃での例:胃粘膜の荒れたもの)
 潰瘍は深くて瘢痕を残すもの(胃では胃潰瘍)
⑦痂皮(かさぶた)
⑧瘢痕 創傷が結合組織によって修復された状態
⑨鱗屑(りんせつ)
 表皮角層上層が角質片となって離脱したもの

疾患ごとに見られる発赤(抜粋)
感染症
①麻疹(ハシカ)→コブリック斑
②腸チフス、梅毒→バラ疹
(腸チフスで出るのは知っていた、と言うか体験したが梅毒は知らなんだ)
③猩紅熱→イチゴ舌(イチゴ味のカキ氷を食った後のようになる)

アレルギー(個人差あり)
 当校T先生のそばアレルギー談話は各講義で聴ける

膠原病(結合組織の病気)
①全身性エリトマトーデス(SLE)→蝶形紅斑
(ブラックジャックに出てくる。スリープコールドカップルの女の子のほっぺ)
②リウマチ熱→輪状紅斑
③ベーチェット病(膠原病類似疾患)→アフタ性潰瘍

その他
慢性肝障害→手掌紅斑


●発声、会話
問診時に患者との会話から疾患の有無を確認できることがある。
言語障害は大きく分けて二つ
①構語障害と②失語症
①構語障害
 患者は言葉を正常に理解し、言うことができるが旨くしゃべれない状態。
構音器官の筋肉や支配神経の異常
・重症筋無力症 筋肉の疲労で話せなくなる、早朝、休息後には症状が軽減
・パーキンソン病 口唇、舌の筋硬直で言葉が不明瞭に

②失語症
 中枢(脳)の疾患等により起こる
 言語、文字の理解ができない状態
 傷害された中枢の部位によって症状が異なる
・運動性失語症
  言語は理解できるが話せない→ブローカー中枢の損傷
・感覚性失語症
  言語は理解できないが、話せる→ウェルニッケ中枢の損傷
  話す言葉は内容がでたらめでわからない(錯語症)




二時間目 漢方概論 血から(処方説明は割愛)
気、血、津液の血

●血の生成(ここは中医学を参照しよう)
①水穀の精微より
  営気、津液に心の働きが加わって血となる
②腎精

●機能
①栄養作用
②滋潤作用
③神志の物質的基礎(精神活動の栄養源)
④血は精に転化する

●病証(大まかに)
①血虚
  血分の不足→治法は補血
②瘀血(おけつ)
  血の停滞→治法は活血化瘀
③血熱
  血に熱邪が進入→治法は清熱涼血
④血寒
  血に寒邪が進入→治法は散寒活血

病証に基づく処方、その成分の解説は割愛、プリント参照




三時間目 鍼実技(パルス) 上半身のパルス
本日から上肢の筋パルスに入るが、本日は触診のみ
上半身の筋パルスはこれまでの下肢に比べ事故が起きやすい
このため本日は触診で肩関節の構造を学ぶ

●触診時の注意事項
①左右差の確認 確認時には利き目で行う
②無理に指先に力をかけない かけると鈍くなる

●肩甲棘の触診
①棘をつまんで肩峰に向かう→鎖骨に触る
②戻って内側に向かう→三角部を確認する
(三角部上角は肩甲骨上角と間違えやすい)
③肩甲棘から肩峰に→肩甲棘~肩峰の角度の変化を確認

●肩甲窩の確認
①棘上窩の確認
 棘上窩にある棘上筋は肩の疾患で萎縮しやすい→左右差を確認

●鎖骨の確認
①鎖骨の太さ、湾曲の確認
 湾曲は胸板の厚さ等で異なる。骨折部位は太くなる
②肩峰に向かい鎖骨をたどる→肩鎖関節の確認
③内側に向かい確認→胸鎖関節の確認
(胸鎖関節は上肢と体幹を結ぶ唯一の関節)
④胸鎖関節の運動性の確認
 鎖骨と胸骨に指を置いて肩をまわし、胸鎖関節の可動性を確認
 左右差、滑らかさ等を確認

●烏口突起の確認
①肩鎖関節の下外方にある烏口突起を確認
②烏口突起外端から肩峰に向かって走る烏口肩峰靭帯を確認する
(烏口突起、肩峰、烏口肩峰靭帯はあわせて烏口肩峰アーチを形成)
烏口肩峰アーチと上腕骨は機能上、第二肩関節とも言われ、臨床上重要

●肩間接の緩みの確認(ルーズショルダー)
肩峰外端部に指を当て、上腕を下方に牽引する
緩みがあると上腕が下がり、指を当てた部分が陥凹する

●上腕骨、結節間溝、大結節、小結節の確認
ひじを90度屈曲した状態で内旋する
上腕骨の上部、もっとも膨らんだ部分に指を当て、上腕を静かに外旋
ぽこっとしたへこみ(前にならえの少し前)が結節間溝、その手前が大結節
間溝のすぐ次のふくらみが小結節



四時間目 臨床実習(現代治療)

カルテ記載の重要性と症例報告について
以下割愛

今日も内容盛りだくさんでした。

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