お肉の日 犠牲祭(クルバン・バイラムについて)2005年08月21日 14時32分57秒

断食の話を書いたので、せっかくだから犠牲祭についても書いておきます。

私の中では犠牲祭=クルバン・バイラムナのですが、これはトルコ語らしいです。
アラビア語ではイード=ル=アドハーというようですね。
ラマダン(断食月)明けの役2ヵ月後に行われるイスラム教の大切なお祭りのひとつで、名前にあるように神様に犠牲の家畜をささげるお祭りです。

旅に出ているとき、3度めのイスタンブールでこのクルバン・バイラムにお邪魔させていただく機会を得ました。

実際に屠っている現場を見ると結構びっくりします。



これは牛を屠る前に神様にお祈りをささげているところです。
この後、牛の頚動脈を切って絶命させ、牛を解体するのです。
この作業はモスクに隣した屠場で行われたのですが、数年前までは家の庭先で行っていたそうです。
昨今、観光客が増えさすがにまずいだろということで条例になったそうです。
何でもこの牛を屠る際に出る血は地面に流さなきゃいけないそうで、クルバン・バイラムの時期には昔は街が血みどろになったとのこと。

屠場で行われるのは大きな解体のみです。
要は足丸ごと一本というような、一抱えもあるような塊の状態で渡されます。
これをもって帰って食べれる大きさまで切り分けるのですが、これが結構大変でした。
こういう風習を「野蛮だ!}などと言う人もいるでしょう。
でも自分の食べているお肉がどこから来ているのか知る意味では非常に価値のある風習でしょ?

現地の人はこの犠牲祭についてこんなことを言ってます
「犠牲祭はね、富める人も貧しい人もみんな一緒にお腹いっぱいお肉を食べる日なの」

(なんかラマダンのときと一緒のような言い方ですが・・・)
屠られたお肉の行方は、1/3は家族で、1/3は近所の人に、1/3はクルバン・バイラムをできない貧しい人に分け与えるものだそうです。
皮は国に渡されて福祉関係に使われるとか言う話です。

特に日本では、どこでどのように家畜が屠られているのかがわからない傾向が強いように感じます。
自分でも疑問に思ったので、帰国後 {ドキュメント 屠場」岩波新書なぞという本を読んでみました。

やっぱ、一度は自分で屠ってみる経験をしてみるもんだなと思いました
もちろんクルバン・バイラムの牛さんはおいしく私の血肉になりました。