11月22日講義内用概要2005年11月22日 22時02分55秒

一時間目 臨床学総論

●腹部の触診 打診

○基本  鼓音
 増大=腸内にガスの貯留  マヒ性イレウス

○グル音(腹鳴)
 腸内の蠕動でガスが移動し音が出る
 亢進 腸管の狭窄、閉塞
 消失 急性腹膜炎、マヒ性イレウス(こっちの方がこわい)

○振水音(胃内停水)

cf 公衆衛生の苦情件数で最近多いのは臭いの問題


国試では神経関連の問題がおおい



●知覚過敏帯(特定の皮膚領域に帯状に存在)
 これをヘッド帯と言う
発生機序 マッケンジー学説
 内蔵の病変で発生する刺激→求心性線維→交感神経交通枝→脊髄神経節→脊髄後根 
 と伝わる
 ここへの刺激が連続する(刺激の加重)
       ↓
 この神経分節が興奮する状況になる
       ↓
 同じ神経分節を通る皮膚を圧迫すると過敏性が高いため軽い刺激でも痛みが出る

キーワード
ヘッド帯、デルマトーム、マッケンジー帯、内蔵ー皮膚反射
 ほとんどの反応点はぼけつ、ゆけつである

覚える反応点は
 ボアス点    胃潰瘍
 小野寺殿部点  消化管
 モーバン点   肝臓・胆嚢をみる
 仙骨点     婦人科疾患
 脊椎側点    同じ高さの臓器が分かる
 プグリシイーアレグラ点 胃潰瘍・胃炎
 基本的には内蔵学的な場所で反応を見ている

●ヘッド帯の検査法
 皮膚を軽くつまむ、針(先の丸い)で刺す
 →過敏な知覚、痛みが出ると

●マッケンジー帯とマッケンジー点
 ヘッド帯=軽い刺激でみる つまり皮部
 マッケンジー帯=深部つまり筋肉のこりと考える
ヘッド帯、マッケンジー帯の発生機序原理はまったく同じ

●圧痛点(基本的な原理は同じ)
 硬結といたみ

背部の視診
●生理学的な弯曲
  頸椎・腰椎は前弯
  胸椎は後弯
●側弯  痩せている、つかれやすい、病気がち
  女子に多い
  様々な原因があるが早期に対応しないと治らない(治りにくい)
 詳しくはプリント





二時間目  漢方薬概論
痛みは難しい、ペインクリニックでも80%までしか対応はできていない
●痛痺
漢方では気・血(エネルギーや栄養)の不足や停滞からくる物としている
  不通則痛 不栄則痛  という

痛みの分類と治療はプリントを参考にして

原因として風・寒・湿・熱・気滞・瘀血・気虚陽虚・血虚陰虚

○風 動く、他の病因を伴っている 
 痛む部位はその前に違和感や痒み等がでる
 →これは通じていないところ
 外風  病原菌、ウィルスなど
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 処方 独活葛根湯(風邪の薬に近い物を使う)
    葛根湯加朮附
 生薬 麻黄 独活

 内風  肝にかかわることが多い

○寒(=痛痺)
 冷えると痛みが増し、暖めると痛みが緩む
 処方 八味丸 牛車腎気丸 当帰四逆加呉茱萸生姜湯
 生薬 麻黄 附子(トリガブト)、細辛
 お灸をする
 
○湿痺(=着痺)
 水の停滞による=引っ付く、にぶい痛み(寒とは異なる)
 動かしながら水を取る
 処方 薏苡仁湯 牛車腎気丸 疎経活血湯
 生薬 薏苡仁、白朮、蒼朮 

◎風、寒、湿に共通して使える処方
 →五積散

○熱痺=風・寒・湿の滞りが長く続いて転化したものと、炎症が強い時、外傷
 状態 熱(赤)腫痛の状態=炎症性の疼痛
 処方 越婢加朮湯、白虎加桂枝湯
  炎症が強い時は補うものは使わない
 生薬 石膏、知母

●五臓弁証
○肝の特徴を行って以降は来週




三時間目  鍼実技(パルス)
●テスト法
 イートンテスト(神経伸展テスト)
 チェアーテスト(前腕外側上顆痛)
 中指伸展テスト(前腕外側上顆痛)

●鍼パルス
 顔面神経パルス

テスト法
○イートンテスト
意義:
神経の伸展により根性の神経障害を確認できる
   感覚の異変で障害の判断をするが、発生する部位で高位診断が可能

手順
患者の手を後方に回し、術者の手で患者の手関節を過伸展させつつ下後方に牽引(その際に患者の頸を他動的に反対側に屈曲させると更に負荷があがる)
(患者の手首のホールドは握手のような体制で)
上肢への感覚以上で陽性
感覚異常部位で傷害されている神経根の鑑別が可能(デルマトームに従う)

○チェアーテスト
いすの背もたれを握って持ち上げるテスト
外側上顆に付着する筋に負荷をかけることでこの部位の障害を見極める

○中指伸展テスト
中指を術者が押さえ込んだ状態で患者に中指の伸展を行わせる
意義はチェアーテストと同様

●鍼パルス
○顔面神経パルス
意義:
脳疾患などでの顔面神経麻痺の治療法として重要
病院のリハビリ等でもパッドを用いて通電することにより同様の効果を目的とする治療法があるが鍼で行う意義も大きい
パッドを用いた通電法では後に顔面の痙攣を引き起こしてしまうケースがあるとのこと
鍼だと少ないとのことだが、世の中には顔面神経麻痺への鍼パルスを否定している人もいるようです

まあ少し調べてみます
(仮説としても受容器移動はおもしろいです)

刺鍼部位: 
頬骨の頬骨突起の近傍で下方、開口時に顎関節の滑走が感じられる部位に直刺
ナイスなことに近くに三叉神経の下顎枝が走っています・・・・
刺針時や通電時に歯に痛みが走ったらビンゴ!!刺しなおしです
(クラスメイトの一人が刺したようです、そのときの先生の反応がナイス)

まあ、当たっていれば一目でわかります
また打たれる側でも一発でわかります
ナンとも言えない違和感があるので
実際に脳からの出口の茎乳突孔に当てるのではなく、耳下腺神経叢に入れるという感じです
このため予想していた場所よりもかなり前方への刺鍼でした
(まあ直に神経に当てるのであればパルスは必要ないかもしれませんが・・・アースだけで動きそう)

ポイントとなりそうなのはあまり深くしすぎないこと
深くすると下顎神経に当たるようです

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