11月15日講義内容概要 ― 2005年11月16日 02時24分37秒
一時間目 臨床学総論
触診の続き
腹部の診察
●腸管の蠕動運動
通常は認められない→通過障害(例 腸閉塞)で発生
=蠕動不穏
(通過障害時には腸の内容物を通過させようと通常以上の蠕動が起きる)
●腹部の触診
○特徴
・仰臥位で膝を立てて行う(東洋医学との違い)
(東洋ではお腹の張り具合&圧痛を見る)
・冷たい手にならないよう
・腹部全体から徐々に力を加える
・くすぐったがる人は気をそらせる(話しかける)
○腹壁緊張状態の確認
筋性防衛
→腹部の炎症が腹壁筋膜に及ぶと緊張し堅くなる(胃潰瘍、十二指腸潰瘍)
反動痛(ブルンベルク兆候)
→圧迫時よりも話した瞬間に強い痛み(虫垂炎、胆嚢炎、膵炎)
○腫瘤の触診
良性と悪性の腫瘤を区別できるように
*良性 表面はスムーズ 可動性あり 自発痛・圧痛
*悪性 非常に堅く・凸凹・不整 周囲と癒着可動性が悪い
一概には言えないが指標にはなる
下腹部では便秘もある(宿便、糞塊)
○各部位の診察 別プリント参照
正面像では正中線、鎖骨中線
側面では腋窩線(胆経)
○打診法 プリント
腹部、背部左右差が大事
肺の位置は第七頸椎から第十胸椎のあたり
*打診の順番は左上部→右→右中部→左中部→左下中部→右下中部→右下部→左下部
各部の触診
○心窩部→胃・十二指腸潰瘍、腫瘤ではガン
虫垂炎でも圧痛が出る
○右季肋部(とても大事)
肝臓の触診部位、触れる感じで疾患を区別
腫大→急性肝炎
肝硬変→弾力性、表面は顆粒状
肝臓癌→硬い表面が凸凹
脂肪肝→弾力のある肝腫大
実際の触診では左手は背部より肝臓を持ちあげ
○左季肋部
脾臓は触れられない(通常)
肥大すると触れられる
○右・左側腹部(腎臓)
呼気の始まりに感じやすい
なかなかに難しい・・・・
○右腸骨窩 回盲部
マックバーネ点 臍と上前腸骨棘間に腺をひいて腸骨から1/3
ランス点
○脱腸(嵌頓ヘルニア)→緊急手術が必要
鼠蹊ヘルニアは矯正パンツで治る
●腹部の打診
音の種類をきちんと判別できるように
・鼓音増大→ガス貯留=麻痺性イレウス
・濁音→腹水
●腹部の聴診
○ぐる音(腹鳴)
○振水音(水を飲んだ後長時間経過後ある場合は胃内停水)
二時間目 漢方薬概論
*配布資料
舌形と舌苔のプリント、
漢方のカルテ、鍼灸のカルテ
●問診 四診のなかでは最も重要
1主訴を聞く
2現病歴・経過
3既往歴
4家族歴(糖尿病、癌、痛風)
5環境
cf 時系列分析(誕生からの出来事をすべて時系列化する分析法で診察をするお医者さんもいる
問診の基本→相手に話をさせる
診察では総合的な判断方法が重要
カルテのなかには四診すべてが入っている
1 寒熱を問う(悪寒・発熱)
ex悪寒>発熱→麻黄湯、葛根湯
ex悪寒<発熱→銀りょう散
ex但寒不熱→人参湯
ex但熱不寒→白虎湯
ex往来寒熱→小柴胡湯
2 汗を問う
自汗・・・体表の気虚(衛気虚)→補中益気湯・桂枝湯
汗っかき、肥満体→防己黄者湯(当て字)
盗汗(寝汗)・・・陰虚→六味丸
大汗 熱ででる→白虎湯
枯れかける(亡陽)→四逆湯
頭汗 湿邪鬱滞
3 二便を問う
○便秘
熱秘<腸・胃の実熱証>→大黄系(しょう気湯)
冷秘<脾腎陽虚>→人参湯+ブシ(ふ中理中湯)
下剤を用いると腹痛
小建中湯
大建中湯→腸閉塞等で用いる(暖める力が強い)
お年寄りにも非常によく使う
陰虚<腸の津駅不足(枯れて便秘に)>
→潤腸湯、麻子仁丸
気虚<>
→六君子湯、当帰芍薬散
○下痢
大腸湿熱(感染症によるもの?)
→芍薬湯
脾気虚
→六君子湯
腎陽虚(腎の暖める力が不足 下痢した後だるい?)
→四逆湯
食積(食べ過ぎ げっぷが臭い)
→半夏シャ真湯
○小便
腎陽虚(小便が多い)
→八味丸
脾胃の虚寒(小便が多い)
→小建中湯(子供のおねしょによく使う)
cf葛根湯(昼間遊び過ぎておしっこに行くのを忘れる子供のおねしょに使う
膀胱湿熱(膀胱炎での尿量が多い)
→猪苓湯
4 食欲を問う
脾胃気虚
→六君子湯・補中益気湯
胃熱
→白虎湯(悪血)
異食症=食べ物以外を食べる(胃腸に寄生虫がいる)
→悪血
5 睡眠を問う
夢が多くて熟睡できない
肝血虚・心血虚→帰脾湯
肝気が鬱結 加味しょうか散
↓
胆気が鬱結 温胆湯
肝血虚 酸棗仁湯
6 月経を問う
血熱 周期が短く、量は多く、生理色は濃い
気虚 周期が短く、量は多く、淡紅色希薄
血寒 周期が長く、量は少く、暗紫色
血虚 周期は長く、量は少く、淡紅色
月経痛
気虚、おけつ→生理前に痛む 桃核承気湯
気血不足、腎虚→生理後に痛む 小建中湯 当帰芍薬散 六味丸
寒証→生理中に冷えて痛い
当帰芍薬散+桂枝ブクリョウ丸+牛膝エンゴサク=折衝飲を用いる
この後は脈診・腹診
三時間目 鍼実技(パルス)
●テスト法
ジャクソンテスト(二種類)
スパーリングテスト
●頭板状筋
ジャクソンテスト1(頸椎圧迫テスト)
頸部を後屈する
この状態で頭部を圧迫して頸間孔を狭める
上肢への放散痛、または頸部の痛みで陽性
頸部の後屈角度を段階的に高めテストを実施
(頸部の後屈角度が大きくなると負荷も高まる)
ジャクソンテスト2(肩押し下げテスト)
頭部を術者の手で一方に側屈させる
同時に反対側の肩を術者が押し下げる
上肢への放散痛で陽性
(椎間孔への負荷ではなく神経の伸展テスト)
スパーリングテスト
(最も頸部の椎間孔に負荷をかける試験)
頸部を側屈させながら後屈する
この状態で頭部を圧迫して椎間孔を狭める
上肢への放散痛で陽性
●筋パルス 頭板状筋
乳様突起と後頭骨下縁、僧帽筋の外縁に囲まれた領域で頸骨から後頭骨に向けて上外側に走る筋繊維を見つけ刺鍼する
(間違え易い僧帽筋の筋腹は後頭骨から下外側に向けて走る、胸鎖乳突筋は乳様突起から鎖骨方向に走る)
筋繊維の方向に収縮が起こることを確認
●先週の取りこぼし(総指伸筋の中指のみ)
今週もできず・・・・・・
四時間目 臨床実習(現代)
●本来は問診→診察→治療までの流れを通して行う予定だったが患者さんの予約が入っているため按摩に
相手が大きなからだの男性だったためワシが揉むことに
感想は・・・・・強敵あらわる
普段、クラスメイトとでは、どう手加減するかが難しく感じることが多いのだが・・・
あまりの堅さに太刀打ちできません
一生懸命揉みましたが
完敗 まだまだです
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