11月7日 講義内容概要 ― 2005年11月07日 06時03分00秒
一時間目 臨床学各論
●腸閉塞(イレウス) ○概要 腸の内容物が肛門側に移動できなくなった状態を言う ☆機械製イレウス 腸蠕動が亢進 →単純性イレウス 糞石、癌、胆石等によるもの 血行障害なし →絞やく性イレウス 癒着、ヘルニア、嵌頓、腸捻転 血行障害あり=緊急手術 ☆麻痺性イレウス 腸蠕動は減弱、消失 重症感染症等により発症 ○成因 腹腔手術後の癒着、大腸癌が多い(機械的)、腹腔内臓器の炎症、全身疾患(麻痺性) ○病態生理(疾患のステージ像) 割愛 ○症状 排便、排ガスの停止、腹痛、嘔吐(吐物のにおいで閉塞部位の予測が可能) 絞扼性では突然の激しい腹痛で発症しショックを起こすことがある ○診断 腹部の圧痛、腸雑音の異常亢進(これを蠕動不隠という)、減弱、エコー検査での腸内容物の移動観察、腹部X線検査では小腸ガス、鏡面像などがある ○治療 絶食絶飮、イレウス管の挿入で腸内容物の排除を行う、輸液による水・電解質の補給を絶やさないように 単純性では保存的療法で改善することが多いが、5日から7日で改善が見られない場合は手術適用 絞扼性は緊急手術
●その他の腸疾患 ○大腸ポリープ 家族性(遺伝性)の問題は大きい 特に腺腫性ポリープは前癌病変となるため切除が基本 発見は検便による潜血反応等大腸癌と同様の場合が多い ○大腸憩室 通常症状はない 他の部位の憩室にくらべ炎症を起こしやすい 炎症では虫垂炎との鑑別が重要 ○痔疾 歯状線の上下で内痔核、外痔核に分ける 基本的には便性の適正化が大事、重症では手術
腹膜炎 ●急性腹膜炎
●結核性腹膜炎(慢性腹膜炎の代表)
●ガン性腹膜炎 末期ガンに多い、腹水貯留が顕著
二時間目 生理学
神経の続き ●神経の分類 ○A(α・β・γ・δのサブタイプがある) 直径=太い、伝導速度=速い、有髄神経 ○B 直径=中位、伝導速度=中位、有髄神経 ○C 直径=細い、伝導速度=遅い、無髄神経 cf 感覚神経の分類には別の方法が有る(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ)
●神経伝導の特徴 1不減衰 2両方向伝導 3絶縁性伝導 4疲労しにくい 5伝導速度は直径にほぼ比例 6有髄神経伝導速度>>無髄神経伝導速度
●シナプスの刺激伝達の仕組み シナプスにおいては、前の神経終末(ブトン)から次の神経細胞体への移行に化学伝達物質を用いている
化学伝達物質は通常時にはシナプス小包の中にしまわれている 神経が刺激を受けるとシナプス小包は膜上まで移動し伝達物質を放出 伝達物質が神経細胞体の受容器に取り付くことで刺激を伝達 受容器からは受容器電位が発生し、これが閾値を越えると活動電位が発生する
補足 シナプス=神経のつなぎ目 (神経線維は一本で末梢まで行かず、次の神経線維に乗り換えを行っている→この乗り換えがシナプス) 興奮性シナプスと抑制性シナプスがある
●シナプスの連絡 収束:数本の神経線維がひとつの神経細胞体に連絡する形 発散:一本の神経線維から複数の神経細胞体に連絡する形 これらが複雑に混ざり合って構成されている
●シナプス間の伝達物質と受容体 ○アセチルコリン(伝達物質)→ニコチン性受容体・ムスカリン性受容体 ○ノルアドレナリン(伝達物質)→α受容体(血管)、β受容体(心臓) ドパミン セロトニン ○γアミノ酪酸=GABA(抑制性の伝達物質) ○グルタミン酸(アミノ酸:脳脊髄での興奮性伝達物質) ○グリシン(アミノ酸:抑制性の伝達物質) ○ATP、アデノシン
●シナプスの性質 ①化学伝達、②一方向性(神経線維とは異なる)、③疲労しやすい、④シナプスの遅れ(化学伝達によるため一本の神経線維に比べ伝達速度が遅くなる)
●シナプス後電位の話 ①全か無の法則に従わない 抑制系は閾値ではなく電位の強さで制御をしている(アナログ系のよう) ②非電導性 シナプス後電位は活動電位の発生、抑制には寄与するがそれ自体は細胞体内で消滅 ③時間的に緩やか 活動電位に比べ
三時間目 鍼実技(経絡)
●冷え症の治療(割愛)
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