シリアの旅 シャハバ32006年05月14日 23時00分04秒

気がついたらイスラム旅行記をアップするのはほぼ一ヶ月ぶり。
なんか弛んでおります。
シリア編ももうじき終わりのなので気合を入れてまいります。
(まあ週に一回ぐらいは書き込めるよう頑張りたいもんです)

シャハバ博物館を後にして、ダマスカスのホテル(安宿)に戻ろうと思ったのですがバスの時間まで約1時間あります。
バス会社の営業所のあるロータリー近くにファラフェル(豆コロッケ)屋があったのでサンドイッチを食べていくことにしました。



手前の黄色く見えるのがゆでた豆を潰した“モト”(コロッケのタネですな)。
これを写真のように金属の型にはめて整形したのち、アブラの中に落として揚げていくんです。
コロッケといってもパン粉や衣を付けるわけではなく素揚げです。
これをピタパンのような袋状のパンにつめたのがファラフェルサンドです。

手軽な食べ物で単価も安く、美味しい。
シリアでは昼食はほとんどこれでした。

で、サンドイッチを注文して店内の座席で待っていると・・・
レモンジュースが出てきます。
「頼んでないよ?」と目線で話しかけるのですが、イイから飲めといってきます。

さらに店先に座った親方から怒鳴り声のような命令が店内に飛び込んできます。



するとこの写真の右から4番目にたっている店内で一番の下っ端少年がダッシュで店を出て行きます。
何しにいったんだろ?と考えていると、今度は上げたてのファラフェルがそのまま小皿に乗って出てきます。
さらにはヨーグルトで和えたサラダも出てきます。

・・・・・気になるのは「どっちだろう?」ということのみ
善意のサービスなのか、サービスという名の押し売りか。
まあ、でもここまで来るともう腹をくくって出てきたものを美味しくいただくのみです。
旅をしているときはいつもそうでしたが、この店で食べようと腹をくくった段階で「ボラレテモ、カマイマセン」という気分です。
店を選んだのは自分ですから。
さっき店からダッシュで出て行った少年が帰ってきました。
手にはボックスティッシュ。
たった一人の旅行者のためにわざわざ買ってきてくれたのです。

このようなことをしてくれる店にボル店などはありません。
こうなってくると首を擡げるのが今度は別の問題です。
「やべえ、いくら包もう」
チップの風習のある地域ではいつも悩むことです。
自分が気持ちよくすごすことができたら、その意をきちんと示すのにどれぐらいを包もうかと。




お店を出てお会計をするときに、“親方”は結局ファラフェルサンド代以外を受け取ってはくれませんでした。
照れくさそうに笑いながら「また来てくれ」という言葉に見送られてバス乗り場に向かいます。


シリアは金銭的には決して豊かな国ではありません。
石油が出るわけでは無し、天然ガスもまだ試掘段階です。
失業率も高く公証で25%、実際には40%を超えているといわれています。
でも、この国を旅していると「豊かさ」に驚かされることが多々あります。
その理由のひとつが“大きな宝”を持たないということによるのではないかなと最近思っています。

“鳩と大きな宝”の話はまた別の機会に