古典を読む 難経12006年12月26日 16時18分56秒

夏前からコツコツやってきたことに古典を読むというのがあります。
読んでいたいのは「難経」という書物。
東洋医学の分野の方ならば一度は目を通したことがあるのではないでしょうか。
少なくともこの書物の名を知らない鍼灸師はいないはずです。

この本が成ったのは漢の時代(紀元25~210年)といわれていますので約1800~2000年前に成立した書物であることになります。
ただし、戦乱の激しい中国でのことですからこの当時のものは残っていません。
今伝わるのは様々な医家による注釈が加えた物です。
よく読まれているものとしては
「難経本義」 滑寿(滑伯仁) 1341年
「難経集注」 王九思(王惟一?) 1505年ごろ
事実上難経本義が難経のスタンダードと思われます。
日本でも様々な訳本、解釈本が出されていますが、底本として採用してるのは難経本義が多いです。



こちらが難経本義の書面。
はっきり行って無理な感じです。
いや、無理ムリむり!
こんなもんを読もうという気にはなりはしません。
っていうか読めません。

まあ、このページで実際の難経の本文は「一難曰・・・」より始まる太文字の部分のみで後はその解説なんですが・・・
それにしてもハードルが高い!ということで実際に私が難経を読む際の底本としたのは2冊。
 難経解説 東洋学術出版社
 難経入門 遠藤了一 オリエント出版社
これらの本と照らし合わせながら読んでいきました。

あと中盤以降は以下の写真の本も参考にして読んでいます。



 難経集注
非常によく出来た私向きの本なので是非入手しようと神田の専門店に注文を出したのですが・・・・一ヵ月後に入手不能とのお話  (T_T)
どなたか余分に持っていません?
譲って下さい、お願いします、いや本当に。

まあともかくこのような本の他に学校の図書室の蔵書を駆使して読んでいったわけです。
最初はただ読もうとしたのですが、訳がわからなくなり挫折。
結局、原文(白文に句読点のみ)をノートに写して、一個一個漢字の意味を調べ、参考書の解釈を見てみたりして一文ずつ訳しながら読んでいきました。
本当に気の遠くなるような作業で何度投げ出そうかと思ったのですが、それは神の采配。
ちょうど飽きかけた頃に認定試験とか期末試験が入ってきて試験から逃げる言い訳として難経を読むことで継続することが出来ました。
「要は難経やってりゃ試験勉強はしなくてもOKという自分ルールを作成」
(自分は本当に試験勉強が嫌いらしく、試験前は通常時の約三倍のペースで読み進んでいました。 いわばシャア状態?)
しかしながら初めての古典は本当に難しく、当初目標では秋には終わるはずだったのですが結局昨日に全八十一難を写し・読み終わりました。
(決して理解したわけでも覚えたわけでもありません)

そんなわけでこれまで読んだ八十一難のうち面白かったり心に残った「難」を簡単に紹介して行きたいと考えています。

取り合えず一発目は「一難」でも「六十九難」でもなく「七十七難」。
あまり解説書でも大きく取り上げることのない難ですがここからはじめて行きたいと思っています。
乞ご期待?



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コメント

_ akimoyan ― 2007年02月15日 22時44分00秒

はじめまして。

大阪の30代鍼灸あマ指3年生です。
難経を検索してて伺いました。

難経集註は内経医学会で販売してはりますよ。
素問霊枢は入手したんですが、うかつにも難経がまだでして・・・(^^)ゞ

ではまた伺いに参ります。

ではでは。

_ 鍼灸あましのたまご ― 2007年02月17日 01時44分47秒

akimoyanさま情報ありがとうございます。
内経医学会さんは存じ上げていたのですが、HPの書籍情報に難経集注の表記がなかったため見逃していました。
本当にありがとうございます。
国家試験が終了したら問い合わせをして見ます。

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