シリアの旅 シャハバ12006年04月11日 04時56分14秒

ダマスカスに滞在しながらパーミット(許可証)の取得をしようとしているのですがなかなか上手くいけません
まあ、時期が悪い!  この時期を選んだ自分が悪いのですが・・・

断食月(ラマダン)期間中はお役所仕事は半分止まったも同じです
普段の月ならその日のうちに許可が下りるはずなのですが(しかも30分程度で)
もうすでにチャレンジ3回目
待ち時間はすでに1時間半近くに及んでいます

結局この日、合計2時間ほど待った後に許可証は無事おりました
明日はやっと目的の場所にいけます

でも、時間的にはまだお昼前
折角ですからこの時間から日帰り可能なシャハバと言う街に行ってきました

この街で特徴的なのは2つ
一つは、街そのものが3世紀ごろのローマ時代の遺跡跡にたっているという点である



もうすでにシリアでは見慣れた風景ではあるが
個人宅の門扉と化した遺跡の石柱
民家の壁を見ると明らかに遺跡と思しき石を使っていたりする

観光客から見れば「遺跡破壊」かもしれないが彼らにしてみればリサイクル
そんな風にも感じてしまう

住んでいる人が建替え建替えしてるもんを見てあれこれ言うのもなんなのだが、すごいもんだ
この家の前の道路もすごかったりする



見事な石畳に並ぶトラックのオンパレード・・・保護って概念はないらしい
よく見るとあちこちに補修の跡があるんですが、見事にコンクリで埋めてます
まあ遺跡と言う概念ではないんでしょうね、あまりにもありふれてて

でもまあよく見てみるとローマセメントのように見えるものもあるんですよね

まあ小さな街の中あちこちで見られる黒っぽい火山岩の石は、基本的には3世紀ごろのローマ時代のものらしいです



街のハズレで出会ったおばあちゃんとお孫さん
どちらもかわいらしかったです

この街のもう一つの特徴
それがこの街には多くのドゥルーズ派の人が暮らしていると言うことである
このドルルーズ派、イスラム教シーア派の一派、イスマール派から分派したイスラム教の一派と言われているが、教義的には独自のものやスンニなどのイスラム主流派から見ると容認できないものも多く持っており一種異端とみなされている

イスラム教の五行(なすべき行動)としてシャハーダ(信仰告白)がある
このため、他宗派では自身がムスリムであることを積極的にアピールすることを良しとする傾向が強い
一方、ドゥルーズ派の信徒は非信徒に対して信仰を隠し、ドゥルーズ派の教理実践を公にしないという行為が認められているのはこの異端視のためかもしれない

このおばあちゃんがドゥルーズ派かどうかは聞いていない
でもこの格好(白いレースのスカーフ&黒っぽい衣装)を見たとき、前にガイドブックで呼んだこの宗派の話を思い出した
この宗派のちょっとした違いについては後日掲載する別の記事でも触れてみます



イスラーム社会が一つになれないのにはこの宗派問題が大きな妨げの一つになっているのは明白なんだよね
へたすりゃ、異教徒(ユダヤは除く)よりもイスラム教の別宗派の方を敵視しがちだし

シーア派とスンニ派、ワッハーブ派とスンニ派・・・数え上げたらきりがない
しかも「自身の敵の敵は友となる」という原則も通じないから根が深い


別の話になってしまいましたがシャハバの話はまだ続きます

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