パルス試験対処概要2006年01月24日 08時12分22秒

パルステスト前確と後確

●大円筋
大円筋は肩甲骨の下角外側から上腕骨小結節稜に付着する筋
(背中から出て腕の前側につくイメージ)
上腕の位置とうで働きが異なるので注意
○前確認
患者は腕を90度外転、肘を90度屈曲した状態でベッドから自然に腕が落ちるような体勢で腹臥位でベッドに横になる。
患者の前腕部を固定し、上腕を内旋する方向に力を入れてもらう。
肩甲骨の下角から腋窩の背側に向けて盛り上がるのが大円筋。
何回かこれを繰り返すことで正確な大円筋の走行を確認し刺鍼する。
(注 刺鍼部位は必ず胸郭の外方にとる。気胸の防止)
もう一方の鍼は同側の脊柱起立筋に刺鍼する。
○後確認
通電させた際に肩甲骨の下角部の筋肉が動き、腕が内旋方向に動いていれば成功。
(肩甲骨の外側上部が動くの場合は小円筋、肩甲骨棘下窩が動く場合は棘下筋、肩関節部が動く場合は三角筋である場合が多い)


●僧帽筋
僧帽筋は上部繊維、中部繊維、下部繊維にわかれる。
○前確認(中部線維)
肩の2線のラインを触診し、肩井付近の硬い部分を見つける。 中指を鎖骨上かにおき、親指を僧坊筋上におく。
親指で僧坊筋を引き寄せるように押し手を作る(つまみ押し手) 。鍼を垂直に打つ。
深さは個人個人で異なるが、比較的浅め
もう一方は同側の腰に刺す。
注意:通電時に筋が動かなかった場合は深さを変えることはせずに、刺し直しをする
○後確認
肩峰から脊椎棘突起にかけて筋が動いていれば成功 。間違えやすい筋肉としては刺上筋(鍼を深く刺し過ぎ) 脊椎刺突起近傍が動かず、肩峰付近が動く
僧帽筋上部繊維=後頭隆起付近が動く
などがある

●頭板状筋
○前確認
乳様突起と後頭骨下縁、僧帽筋の外縁に囲まれた領域で頸骨から後頭骨に向けて上外側に走る筋繊維を見つけ刺鍼する
刺鍼方向は反対側の目の方向に
○後確認
成功していれば、筋繊維の方向に収縮が起こる
間違え易い僧帽筋の筋腹は後頭骨から下外側に向けて走る、胸鎖乳突筋は乳様突起から鎖骨方向に走る

●肩甲挙筋
○前確認
肩と首の境の辺り、やや首寄りで前上方に走る筋。肩甲骨を固定した上で肩を上方に押し上げてもらい筋線維を確認してもよい
触診してベッドに対して水平に刺入
思っているよりも前側、首の真横に刺す感じ
○後確認
肩甲骨内上角が動いているかどうか、僧帽筋が動いていないかどうか確認
また胸鎖乳突筋も確認

●菱形筋
背中のこりがおおい (注意)必ず斜刺が大原則
○前確認
肩甲骨内縁から内上方に向かって筋層は走っている
僧帽筋がかぶっているが、筋の走行が異なるため触知することは可能
刺鍼部位は肩甲骨内縁のややしたよりで筋線維をしっかりと確認できるところ
(ほんの少しだけ脊中よりの筋のほうが動きやすい)
確認後上方より下方に向けて鍼を刺鍼する。鍼の向きは水平刺にちかくおこなう
○後確認
確認は収縮する筋の方向性が一致していること
僧帽筋が動いていないこと
(僧帽筋の走行は菱形筋と直角に交わるように走る)

●顔面神経パルス
脳疾患などでの顔面神経麻痺の治療法として重要
○前確認
頬骨の頬骨突起の近傍で下方、開口時に顎関節の滑走が感じられる部位に直刺
ナイスなことに近くに三叉神経の下顎枝が走っています・・・・
刺針時や通電時に歯に痛みが走ったらビンゴ!!刺しなおしです
(クラスメイトの一人が刺したようです、そのときの先生の反応がナイス)
ポイントとなりそうなのはあまり深くしすぎないこと
深くすると下顎神経に当たるようです
○後確認
基本的には目の周り、鼻の周り、口の周りの筋が動いていること(2箇所以上)

●総指伸筋の中指のみをパルスで動かす
あたったらあきらめよう

●棘上筋
肩甲骨の棘上かから上腕骨方向に走る筋。上肢の外転運動を行う主動作筋
上部を僧帽筋が覆っているため、刺鍼は僧帽筋を貫通して行う
○前確認
刺鍼部位は肩甲骨棘上縁の中央からやや外側にとる。
刺入方向は上腕骨骨頭の中央に向ける。
(棘上筋の走行している肩甲骨の棘上かの状況を確認すること)
もう一方は同側の腰部にとる
○後確認
棘上かに筋の収縮が感じられ、脊際に振動が感じられなければ成功
(脊際の振動は僧帽筋の収縮、今回は僧帽筋が動いたらだめ)

1月24日講義内容概要2006年01月24日 21時17分14秒

1月24日
二時間目  公衆衛生学

産業衛生の話の続き
●有毒ガス中毒
○一酸化炭素中毒
cf 松下の一酸化炭素中毒の話から
 一酸化炭素はヘモグロビンへの結合力が300倍程度有る
 要は酸素量の1/300の濃度でも影響が出る
 昔は炭鉱の爆発事故で起こることが有った
 これが家庭内で起きるのだから大問題
 →一酸化炭素中毒は火の有るところではどこでも起こりうる

○シアン化水素→メッキ等さまざまな分野で有効に使われている
 産業現場では一人では使ってはいけない取り決めに二人以上で
 ミトコンドリアの細胞呼吸の停止

○硫化水素
 最近、温泉での中毒死をおこした
 匂いは卵の腐った匂い
 火山地帯では突然吹き出すことも
 産業現場ではパルプの再生現場で使用
 有機物の腐敗でも発生する

○フッ化水素
 ガラスを溶解→ガラス工場
 肌への浸透力が強く、最終的には骨に浸透性がたかく、骨を溶かす
 一方で虫歯予防の為に水道に添加したものも有る 

○ホスゲン
 オームのテロで最初はこれでは?と疑われた物質
 揮発性塩化水素

●有機溶剤中毒
 水に溶けないものを溶かすための材料(油を溶かす)
 さまざまなものに用いられている

 中毒では依存症状がおおく問題も
 健康障害も多い→脂質の多い臓器を侵す
  ゴム糊も溶剤を使ってとかす

○ベンゼン  再生不良性貧血

○トルエン キシレン 
 健康障害の前に尿中馬尿酸や尿中メチル馬尿酸が出る
 →生物学的モニタリングのなかで暴露モニタリングである
 テストでは何が出てくるかを入れ替えるような設問がある

○メタノール
 要は目がつぶれるヤツ→代謝産物による視神経障害
 
○四塩化炭素→脱脂剤(昔は絨毯の洗浄に)
 肝障害  中心静脈 実質細胞が脂肪肝を起こす 
     実質細胞に脂肪がついて機能障害をおこす
 腎臓障害も

○トリクロルエチレン、テトラクロルエチレン
 ドライクリーニング屋で使用

●有機化学物質中毒
○イソシアネート TDI
 ウレタン樹脂の発泡剤
 喘息様の発作=アレルゲン

○ニトロ化合物=発癌作用

○塩ビモノマー=発癌作用
 肝血管腫
 レイノー現象 抹消血液循環不全=白蝋病 振動作業と寒冷刺激が多いが化学物質でも起きる
  冷水にある程度浸けていると普通は一度下がった温度が戻る
  白蝋病患者では戻りにくくなる

●じん肺(環境衛生のところでもやった)
  →SiO2(遊離珪酸)=珪肺症 肺機能障害
埃による肺機能障害をまとめてじん肺症という
(無機、有機さまざまなものがある)
「粉塵によって起きた繊維性増殖性変化を主体とした疾病」
繊維性増殖性変化がない場合はじん肺法の範囲にならない

○アスベスト
 実は青石綿、黒石綿、白石綿がある
 青、黒は毒性が強く禁止に。白石綿は一時建築法で吹き付けが義務づけたれていた
  アスベスト小体=アスベスト吸入時に生体内で形成される
  中皮腫になるまでには20年かかるが因果関係は証明されている
 一般環境下でもある程度の暴露はある

●職業癌  癌の一番の原因は食品だが、産業現場で使用するもので起こる癌
 発癌性物質を使用している場合は健康管理手帳で健康管理を行う

発癌物質はプリント参照


なかなかに面白かったが覚えることはできそうも無い