1月23日講義内容概要2006年01月23日 21時15分08秒

1月23日
一時間目  臨床学各論

●肺癌の続き
○治療
 小細胞癌と非小細胞癌で治療箱となる
 小細胞癌=化学療法
 非小細胞癌=外科手術(化学療法がききにくい?)

新規の薬も出ている→ゲフィニチブ(イレッサ)欧米では肺癌には使用中止、東洋人に効果は高いが間質性肺炎の問題がある
 非小細胞癌でも術前後の補助に化学療法が用いられることがある

肺癌組織型は上記4種以外にもある

●気管支拡張症
気管支=抹消に行くほど細くなる
拡張症=抹消に向かっているのに逆に中枢側よりも拡張している(不可逆)
喀痰の増加時期には細菌感染を伴う
ぜいがいと喀痰が特徴で血痰や血線状痰もある、痰の量は多い
下葉に多い

○悪化要因
気道感染が増悪要因
○治療
症状の軽減と進行の防止が中心(不可逆のため)
痰をきちんと喀出させるのが重要
→水分摂取、体位ドレナージによる去痰

気管支喘息患者よりは予後不良、肺気腫よりは予後良
喀痰(10cc以下 軽症、10~150cc 中程度、150以上 重症)


腎尿器疾患

●腎臓の主な症候

・乏尿、無尿  乏尿=400cc以下、無尿=100cc以下
 腎前、腎性、腎後がある
・多尿=尿崩症 

・頻尿 器械的刺激によるもの、膀胱容量の減少、神経疾患、心因性(昼間は以上で、夜は正常)
・尿失禁
・夜間尿 夜間の排尿回数の増加
・排尿痛 排尿初期時=尿道 排尿後=膀胱 
・尿閉 
・尿意切迫 りきゅうこうじゅうのオシッコ版

○高血圧
 排泄障害→体液量の増加
 レニン産生増加
○浮腫
 組織間液の増加
  原因はさまざま

組織間液が2リットルから3リットル増えると眼瞼の浮腫ができる

○レニン-アンギオテンシン系の働き
 生理の復習
 GFR糸球体濾過量=腎臓血流量の20%
 毎分5Lの血流が全身を巡り、そのうち1/4は腎臓に

●原発生糸球体腎炎
 若年(3~12歳)男児に多い→生活環境、抗生物質で減少
 A群溶血性連鎖球の急性扁桃腺炎、咽頭炎への罹患後発症
 (1~3週後)
 免疫複合体によるアレルギー反応で起こる
○症状
 血尿、タンパク尿、高血圧、浮腫
○他の菌
 肺炎球菌やウィルスなど他の菌の感染症後にもおこることがある

○治療 入院、安静、保温=新陳代謝の減少を行う
 水制限、塩分制限、タンパク質制限=おしっこを出やすく
 扁桃腺炎など=ペニシリン系抗生物質
○予後
 一般的に良好だが、3カ月でほぼ緩解だが、一部血尿、タンパク尿、軽度の進行例が慢性糸球体腎炎になる

●慢性糸球体腎炎
基本的には急性糸球体腎炎が進行したもの
血尿あるいはタンパク尿が一年以上にわたって続く原発生糸球体疾患
潜在型 タンパク尿が一日1g以下(軽度)、血尿、腎機能は正常
進行型 タンパク尿が一日1g以上、血尿、腎機能障害がくわわる

○診断
尿検査 タンパク尿、血尿
IgA腎症  血清IgAが高くなる
腎生検をおこなって確定診断

○治療
潜在型  食事制限はないが、スポーツ等激しい運動は避ける
進行型  症状似合わせた食事制限は(高エネルギー食)

GFRが50CC以下になると血清クレアチニンが上昇する
(正常は100から150CC/分)

●ネフローゼ症候群
原因疾患にかかわらず、大量のタンパク尿(3.5g以上)低タンパク血症、高脂血症(総コレステロール250以上)





二時間目  生理学

●皮膚感覚の続き
○感覚系伝導路

 触覚、位置覚=同側を上行する
 痛覚、温度覚=反対側に移行して上行する
 (運動神経は同側を下降する)

脊髄の反側障害
 ①触覚、位置覚は同側障害
 ②痛覚、温度覚は反対側が障害
 ③錐体路 同側の運動障害
これらを合わせてブラウン・セカールの症候群

●味覚
基本的な味は4つ(東洋医学とはちょっと違う)
甘み
塩辛い
苦い
酸っぱい

舌にも感じやすい部分が別れている

舌の支配神経 
  味覚    後ろ1/3 舌咽神経、まえ2/3顔面神経
  体性感覚系 後ろ1/3 舌咽神経、まえ2/3三叉神経

舌の感覚器
 乳頭(四種類)のなかに味蕾がある
 味覚は脳の中心溝回の後ろの味覚領にはいる

●嗅覚
嗅細胞が嗅覚を感じる形になっている
鼻腔の上部天井側に存在する=換気が悪い→匂いを嗅ぐ時に強く吸い込む

嗅覚の種類 (六種類とか七種類いろんなものがある)
嗅細胞→嗅神経→(篩板)→嗅脳へ

○嗅覚の順応→非常に早い
 一秒間で50%が順応(一分で分からなくなる=100%順応)

●聴覚(比較的分かっている)
○解剖学的な点
・外耳
 耳介 → 外耳 → 外耳道 →鼓膜 
 (ここまでが外耳)、耳介は人間では余り役に立っていない
・中耳
 鼓膜 → 鼓室、耳小骨(ツチ、キヌタ、アブミ骨)
  耳小骨の振動で音を内耳に伝える
  
 耳管=中耳と咽頭を結んでいる
   飲み込み動作、あくびで開いて外界と中耳の気圧を同じにする

・内耳
 側頭骨にある迷路様のもの
 (音を感じる細胞 有毛細胞がある)
 内耳=三つの部分からなる
 ①蝸牛管  2回転と3/4
 ②前庭
 ③三半規管
有毛細胞の毛は蓋膜に貫通している

ベケシーの進行波説
→聴覚理論である

○聞こえる音(可聴範囲)=2・2の法則
 =20ヘルツ~20000ヘルツ
 感度は音程で異なる
  一般的には1000ヘルツから4000ヘルツ=女の人の声

○聴覚検査
 聴力図 多くの人の検査をセンター(平均)を出す
 プラスマイナス10%は正常 

 感音性難聴 年寄り、高音域が聞き取り憎くなるのが特徴
 伝導性難聴 低い音が聞こえにくくなる

●平衡感覚 
 前庭と三半規管
 前庭=耳石器官(炭酸カルシウムの結晶)
 直線加速度を感じることができる(一定速度では感覚はない)

 三半規管 
  回転加速度を感知するための器官
  耳石器官とおなじで加速度をはかる
  X・Y・Z軸それぞれに半円形管がある



三時間目  鍼実技(経絡)

試験前練習に突入です

ツボとりを集中して行いました